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煩悩と除夜の鐘

今年も終わりです。←これは大晦日に書きました。

今回のテーマは煩悩と除夜の鐘です。

煩悩の数だけ鐘が鳴る。煩悩とは?

大晦日に108回鐘を撞くわけですが、108は人の煩悩の数として有名です。

107回は大晦日のうちに撞き、

残り1回は、新年が煩悩にわずらわされないように、ということで新年になってから一撞きします。

でも、煩悩ってそんなに悪なの???と思いまして、煩悩を改めて調べてみました。

まず108の由来、複数説あり。

四苦八苦と言いますが、4×9+8×9=108という説。

ちなみに四苦八苦はお釈迦様が

四苦:生・老・病・死

もう四苦:愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦

で合わせて八苦あるとしています。(現代語の苦とは少し意味合いは違います)

愛別離苦:愛する人と別れる(離れて)しまうこと

怨憎会苦:怨んでいる(憎たらしい)人と会うこと

求不得苦:求めるものが得られないこと

五蘊盛苦:五蘊(ごうん・人間の肉体と精神を色・受・想・行・識に分けたもの)が思うがままにならないこと

もう一つの説。

人の五感に「意識」を加えた「六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)」を、

それぞれ「好・悪・平」、

さらに「浄・染」、

さらに「前世・今世・来世」に分けて、

6×3×2×3=108という説。

108は「すごく多い」という意味で、108にあまり意味は無いみたいです・・・。

日本で「八」百万の神とか、中国で「九」に永遠的な意味があるのと一緒ですね。

中国の九の話※脱線

1898年にイギリスと中国で条約が結ばれました。

アヘン戦争⇒南京条約⇒北京条約⇒とイギリスが中国からお金や土地を取ろうとした不平等条約です。

その際、李鴻章将軍が中国代表として話し合いに。そこでイギリスは香港を「永久的に欲しい」と言いました。
李鴻章将軍は「中国では、九は永遠を意味する」だから「九九年!!!」と押し切ったのです。

それで1898年の99年後の1997年に返還されました。

未来の中国のための意義ある交渉だと思います。
イギリスの言いなりだったら今の中国はどうなっていたでしょう・・・?(諸説あるかも)

煩悩とは欲のこと

現代では、煩悩=欲と言われていますが、元来は、

身や心を乱し悩ませ、智慧(道理を見極める心の作用)を妨げる心の働き

→ 心の汚れ → 欲 と発展したものだと思われます。

その煩悩が亡くなった状態=無欲になるわけですね、その状態が俗に言う悟りが開いた状態とされます。

お釈迦様は、四苦八苦にもあるように、生きていることも、苦、と捉えたのですね。

煩悩を捨て去ることで、苦から解放され、安らかになる、と。

悟り開いた人は簡単に言うと仏ですが、生きている間に悟り開いたのがお釈迦様なわけです。

死ぬと欲は消えるので、仏教では死んだら仏になるとされているわけですね。→これが成仏。

確かに欲の無い好い人は「仏さん」と称されることがありますね。

全く欲の無い人間もおもしろいだろうか???とも思ってしまいますが、

年とともに仏さんみたいな、怒らない、欲の無い人間になれたら良いな、とは思います。