ご家族がご逝去された際どうすればよいか
「家族が亡くなった場合、どこに連絡するべきか?」
と心配な方も多いと思います。
万一お身内の方がご逝去された際の
第一報はどこにすれば良いのか、について、
「病院・高齢者施設・自宅」の3パターンをそれぞれ紹介いたします。
死亡診断書と死体検案書
まず必要なものとして、ご逝去された後、ご葬儀を執り行うには、
「死亡診断書または死体検案書」が必要となります。
さて、両者の違いです。
まず一般的に聞かれる死亡診断書が書かれる場合というのは
簡単に言いますと「かかりつけ医が看取った事件性の無い死亡」の場合です。
「かかりつけ医」と書きましたが、
要はその方の状態・病状を良く知っている医師、ということです。
生前、その方を診察していたわけですから、病気の状態が芳しく無かったり、
老衰の場合でも、脈等から判断して、もう長くはない、ということは事前にわかります。
そういった生前の診察や、その方の状態を鑑みて、
間違いなくその方の持病による死、若しくは老衰による自然死、
と断言できる死の場合に、かかりつけ医が死亡診断書を書くことが出来ます。
逆に死体検案書というのは、
その方の持病によるものか、老衰なのか「断言できない死」の場合に、
死体を検案(検査)し、異常があるかどうかの判断をしなければなりません。
どういった場合があるかといえば、
・かかりつけ医ではない医師が診る場合。
・かかりつけ医だが、その方の持病・老衰以外での死亡と判断される場合。
が挙げられます。
更に、検案して異状があると認められる場合は、24時間以内に警察に連絡し、
警察医による検案が行われ、警察医より死体検案書が渡されます。
死因の究明するために司法解剖が行われるケースもあります。
事件性が有るか、無いか、によって警察の出番があるかどうか決まるわけです。
<病院、医師のいる施設の場合>
ここで言う病院は継続して診察を受けていた、入院中の場合です。
この場合はもちろん、医師による診察を毎日受けているわけですから、その入院の原因となった病気による死だと明らかな場合は、
病院の医師が「死亡診断書」を書いてくれるとともに、葬儀屋さんに連絡して下さい、と言われることになります。
通常、病室や霊安室に長く居続けることは出来ないので、迅速にご遺体を病院からご搬送しなくてはなりません。
そのため、この場合は葬儀社にすぐ連絡いただく形になります。
※~搬送場所の決定~ ご参照下さい。
病院でご逝去された場合 ⇛ すぐに葬儀社に連絡
<家など医師のいない場所の場合>
・医師法第二十条
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し
(中略)又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。
但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
この法律は色々な解釈が出来てしまい、大変誤解を生んだということで、
後年、当時の厚生省が通知を出しています。
長くなるので結論だけ言いますと、
・診察から24時間以内の死亡の場合は、死亡診断書が書ける。
・診察から24時間経過後の死亡の場合でも、改めて死後診察を行えば死亡診断書は書ける。
ということです。
どちらも生前に診察していたかかりつけ医が立ち会った場合です。
というわけで、逆に自宅や、医師が常駐していない施設等では、
24時間以内にかかりつけ医による診察を受けており、かつ死亡の際にその医師が来てくれない限りは、
事件性を否定出来ない、ということで警察に電話することになります。
病院といっても、救急車で運ばれ、病院で亡くなった場合などは、
24時間以内に診察を行ったかかりつけ医がいる病院に搬送されない限りは
その方の病状を知らないわけですので、警察医による検案が行われます。
施設や自宅で亡くなられた場合
①24時間以内にかかりつけ医による診察を受けているか?(受けていれば②へ)
⇛ 受けていなければ救急車 ⇛ 警察医により検案&死体検案書
②かかりつけ医のいる病院に行けるか?若しくは来てもらえるか?(可能なら③へ)
⇛ かかりつけ医に見てもらえなさそうなら救急車 ⇛ 警察医により検案&死体検案書
③かかりつけ医に診てもらえて、事件性が無い場合
⇛ かかりつけ医に死亡診断書を書いてもらえます
そしてそれぞれ死亡診断書または死体検案書を出してくれたら、
またはすぐに貰える目処が立ったら葬儀社にご連絡をお願いいたします。
上記は原則のお話ですので、事前に病院・施設等にご相談頂くことをお勧め致します。